中堅企業元年とは?3,000億円の補助金予算や税制優遇の新枠創出など

中堅企業元年とは?3,000億円の補助金予算や税制優遇の新枠創出など

政府は2024年を「中堅企業元年」と位置づけ、政府は従業員2000人以下の企業に支援を強化する方針を打ち出しました。賃上げやテレワーク導入、効率的な輸送ルート構築などを含む各省庁の支援策が集約され、4%以上の賃上げを行った企業には給与増加分の25%を法人税から控除する施策や大規模成長投資補助金が特に注目されます。

これにより、中堅企業の成長促進と賃上げが期待され、中堅企業は中小企業から卒業し、経営の高度化や市場拡大、事業の多角化を進める企業として位置づけられます。政府はこれらの企業が雇用の受け皿として機能すると認識しており、持続的な賃上げの実現のため補助金や税制優遇などの支援パッケージを用意しました。

そもそも中堅企業とは

経済産業省から発表された「成長力が高く地域経済を牽引する中堅企業の成長を促進する政策について」では、中堅企業について以下のように定義されています。

中堅企業は、中小企業を卒業した企業であり、規模拡大に伴い経営の高度化や商圏の拡大・事業の多角化といったビジネスの発展が見られる段階の企業群。既存法令での定義も踏まえ、常時使用する従業員の数が2,000人以下の会社等(中小企業者を除く)を「中堅企業者」と定義。
「新たな事業の創出及び産業への投資を促進するための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案」より

出典:経済産業省「成長力が高く地域経済を牽引する中堅企業の成長を促進する政策について」2024年3月13日

中堅企業は、国内経済の成長に大きく貢献するとともに、海外拠点の事業拡大と並行して国内拠点での事業や投資を拡大していて、この成長戦略が日本経済の持続的な成長に不可欠とされています。中堅企業は大企業を上回る従業者数や給与総額の伸び率を実現し、地方に多く立地して良質な雇用を提供しています。従業者数が中小企業よりも大きく、成長投資による規模拡大や賃上げは地域の賃金水準を引き上げるだけでなく、取引先や周辺企業にも波及し、良質な雇用を生み出します。以上から、成長企業への経営資源の集約化など前向きな新陳代謝の受け皿としての役割も期待されています。

中堅企業政策 3つの対策

中堅企業の国内投資を強力に後押しするとともに、経営力の高い中堅企業による中小企業のグループ化を通じた収益力向上、経営資源の集約、労働移動を進め、産業構造の新陳代謝を加速化するとして3つの施策が展開される予定です。
「賃上げ原資確保のための省力化等の大規模成長投資支援の創設」「賃上げ促進税制の中堅企業枠の創設」「経営力の高い中堅企業等に経営資源を集約化し賃上げに繋げるグループ化税制の創設」の3つをそれぞれみていきます。

出典:経済産業省「成長力が高く地域経済を牽引する中堅企業の成長を促進する政策について」2024年3月13日

施策その1:大規模成長投資支援の創設

令和5年11月2日に閣議決定された経済対策において、「地方においても賃上げが可能となるよう、中堅・中小企業が工場等の拠点を新設する場合や大規模な設備投資を行う場合について、支援措置を新たに実施する。」こととされたことを受け、中堅・中小企業の大規模成長投資を促進する補助制度が創設されました。

予算は国庫債務負担行為含む総額 3,000億円で、工場等の拠点新設や大規模な設備投資を支援するとして上限 50億円(補助率1/3)の補助が受けられます。成長目標として「大規模投資を通じた労働生産性の抜本的な向上と事業規模の拡大により、対象事業に関わる従業員の1人当たり給与支給総額が、地域別の最低賃金の伸び率を超える伸び率を実現する。」ことが義務付けられており、また、投資下限額が10億円、対象経費は、建物(拠点新設・増築)、機械装置、器具備品、ソフトウェア等となっています。

同時に税制も改正され、規模拡大をしていくために必要な大規模国内投資を後押しするための中堅企業枠が新設されます。労働生産性の伸び率5%以上かつ投資収益率5%以上、直近事業年度の付加価値額増加率が8%以上、対象事業において創出される付加価値額が3億円以上、かつ、事業を実施する企業の前年度と前々年度の平均付加価値額が50億円以上の条件が揃いかつ、賃金水準・成長意欲が高く、設備投資額が10億円以上である中堅企業は特別償却50%または税額控除6%の対象になります。

施策その2:賃上げ促進税制における中堅企業枠の創設

現行は大企業向け、中小企業向けに二分されている賃上げ促進税制において、中堅企業枠が新設されます。従業員数2,000人以下の企業が適用可能で、措置期間は3年間です。

出典:経済産業省「成長力が高く地域経済を牽引する中堅企業の成長を促進する政策について」2024年3月13日

施策その3:M&Aによるグループ化税制

成長意欲のある中堅・中小企業によるグループ化を集中的に後押しする観点から、準備金制度を中堅企業も対象に、複数回のM&Aを行う場合の積立率をM&A2回目90%、3回目以降100%に拡大するとともに、据置期間10年に大幅長期化する新たな枠が新設されます。

出典:経済産業省「成長力が高く地域経済を牽引する中堅企業の成長を促進する政策について」2024年3月13日

まとめ

政府だけでなく、自治体や金融機関も政府の支援に連動する取り組みを検討しており、中堅企業はこれらの支援を活用して経営課題に積極的に取り組むことができるでしょう。これにより、国内への投資拡大や持続的な賃上げの実現が期待されます。

一方、中堅企業支援施策の対象企業は賃上げと地域の活性化への貢献が重視され、政府はそれらへの貢献をみて厳密に選定されます。支援を希望する企業は要件を的確に把握し事業戦略を地域経済への貢献を軸に構築することが不可欠になります。2024年は中堅企業にとって大きな転機であり、「中堅企業元年」として政府の支援策は企業の成長に寄与するものとなるでしょう。

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