事業再構築補助金の第12回公募が発表、詳細を解説

事業再構築補助金の第12回公募が発表、詳細を解説

令和6年4月23日(火)に事業再構築補助金の第12回締切の公募要領が発表されました。
第11回の事業再構築補助金では、サプライチェーン強靭化枠がなかったり、前回公募からしばらく公募に関する案内がなかったりと、第12回公募を心待ちにしていた事業者様も多くいらっしゃったかと思います。

そこで、今回は第12回事業再構築補助金の内容や第11回公募からの変更点、注意事項をまとめていますので、申請をご検討もしくは事業再構築補助金について興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。

事業再構築補助金とは

事業再構築補助金については公式サイトにて以下のように説明されています。

新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売り上げの回復が期待しづらい中、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するために中小企業等の事業再構築を支援することで、日本経済の構造転換を促すことが重要です。そのため、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、又は事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援します。

事業再構築補助金事務局ホームページ
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/saikouchiku.html

第12回公募では、既存の事業類型を見直し、今なおコロナの影響を受ける事業者への支援及びポストコロナに対応した事業再構築をこれから行う事業者への支援に重点化が行われました。

第12回公募における概要や第11回公募と比べて、第12回公募で変更された主な内容やは次のとおりです。

  • 申請枠の改訂について
    1. 「コロナ回復加速化枠」創設
      • コロナで抱えた債務の借り換えを行っている事業者等への支援
    2. 「成長分野進出枠」据置
      • 成長分野への事業再構築やグリーン分野での事業再構築等を行う事業者への支援
    3. 「サプライチェーン強靱化枠」据置
      • 第11回公募では申請不可だった枠が第12回では申請可能
      • 国内サプライチェーン及び地域産業の活性化に取り組む事業者(製造業)への支援
  • 事前着手制度の原則廃止
    • 事前着手制度は完全廃止
    • 経過措置が設けられ、以前に特定の枠に申請していて不採択だった事業者については事前着手制度を利用できる可能性あり
  • 口頭審査が発生する場合がある
    • 一定の審査基準を満たした事業者の中から必要に応じて実施される
    • 口頭審査の対象となった場合、受験日時の予約案内から希望日を選択して受験する
  • 審査項目の変更
    • 事業化点や再構築点といった審査項目が、「事業の実現可能性」及び「公的補助の必要性」に変更
    • これに伴って、審査項目ごとの審査観点について、内容や表現が変更された
  • 加点項目・減点項目の変更
    • 応募申請時において、コロナ借換保証等で既往債務を借り換えていると加点になる
    • 一時的流行とみなされる事業内容が大幅減点になる

第12回公募の公募要領を徹底解説

事業再構築補助金の第12回公募の公募要領については、「事業再構築補助金事務局ホームページ」にて令和6年4月23日に公開されました。

対象者や枠・類型ごとの補助金額・補助率、要件、対象経費について解説します。

補助対象者について

事業再構築補助金の補助対象者は、日本国内に本社を有する下記のア〜ウのいずれかを満たす中小企業者等もしくは中堅企業等です。
なお、補助対象となる法人格の一覧も公開されており、株式会社だけではなく、個人事業主や一部の一般社団法人、学校法人、組合等の法人格であっても申請可能となります。

ア:中小企業者

資本金又は従業員数(常勤)が下表の数字以下となる会社又は個人であること。

業種資本金従業員数
製造業、建設業、運輸業3億円300人
卸売業1億円100人
サービス業
(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)
5,000万円100人
小売業5,000万円50人
ゴム製品製造業
(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く)
3億円900人
ソフトウェア業又は情報処理サービス業3億円300人
旅館業5,000万円200人
その他の業種(上記以外)3億円300人

※1 資本金は、資本の額又は出資の総額をいいます。
※2 常勤従業員は、中小企業基本法上の「常時使用する従業員」をいい、労働基準法第20条の規定に基づく「予め解雇の予告を必要とする者」と解されます。これには、日々雇い入れられる者、2か月以内の期間を定めて使用される者、季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者、試みの使用期間中の者は含まれません
※3 上表に該当する者であっても、後述するみなし大企業に該当する場合は補助対象となりません。

イ:「中小企業者等」に含まれる「中小企業者」以外の法人

以下のような中小企業者以外の法人が補助対象となります。

  • 中小企業等経営強化法第2条第1項第6号~第8号に定める法人(企業組合等)
  • 法人税法別表第二に該当する法人(※1)
  • 農業協同組合法に基づき設立された農事組合法人
  • 労働者協同組合法に基づき設立された労働者協同組合
  • 法人税法以外の法律により公益法人等とみなされる法人(従業員数が300人以下である者に限る。)(※2)

※1 一般財団法人及び一般社団法人については、非営利型法人に該当しないものも対象となります。
※2 法人格のない任意団体(公募開始時に法人となっていて、任意団体として確定申告をしている場合は申請可能です)、収益事業(社会福祉法人においては公的保険制度の範囲外で行う事業を収益事業とみなします。)を行っていない法人、運営費の大半を公的機関から得ている法人は補助対象となりません。また、日本経済の構造転換を促すことを目的とする本事業の趣旨から、政治団体や宗教法人などの団体も補助対象となりません。

ウ:中堅企業等

以下の1 もしくは2のいずれかの要件に該当する中堅企業等が補助対象となります。

1.会社若しくは個人又は法人税法別表第二に該当する法人(※1)、農業協同組合法に基づき設立された農事組合法人若しくは法人税法以外の法律により公益法人等とみなされる法人であって、下記の(1)~(3)の要件を満たす者であること(※2)。

(1)上記「ア」又は「イ」に該当しないこと。
(2)資本金の額又は出資の総額が10億円未満の法人であること。
(3)資本金の額又は出資の総額が定められていない場合は、従業員数(常勤)(※3)が2,000 人以下であること。

※1 一般財団法人及び一般社団法人については、非営利型法人に該当しないものも対象となります。
※2 法人格のない任意団体(公募開始時に法人となっていて、任意団体として確定申告をしている場合は申請可能です)、収益事業を行っていない法人、運営費の大半を公的機関から得ている法人は補助対象となりません。また、日本経済の構造転換を促すことを目的とする本事業の趣旨から、政治団体や宗教法人などの団体も補助対象となりません。
※3 常勤従業員とは、中小企業基本法上の「常時使用する従業員」をいい、労働基準法第20条の規定に基づく「予め解雇の予告を必要とする者」と解されます。これには、日々雇い入れられる者、2か月以内の期間を定めて使用される者、季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者、試みの使用期間中の者は含まれません。

2.中小企業等経営強化法第2条第5項に規定するもののうち、以下(1)~(4)のいずれかに該当するものであって、上記「イ」に該当しないもの

(1)生活衛生同業組合、生活衛生同業小組合、生活衛生同業組合連合会

※1その直接又は間接の構成員の3分の2以上が、常時300人(卸売業を主たる事業とする事業者については、400人)以下の従業員を使用する者であって10億円未満の金額をその資本金の額又は出資の総額とするものであるもの。

(2)酒造組合、酒造組合連合会、酒造組合中央会、酒販組合、酒販組合連合会、酒販組合中央会

※1酒造組合、酒造組合連合会、酒造組合中央会の場合は、その直接又は間接の構成員たる酒類製造業者の3分の2以上が、常時500人以下の従業員を使用する者であるものであって10億円未満の金額をその資本金の額又は出資の総額とするものであるもの。
※2酒販組合、酒販組合連合会、酒販組合中央会の場合は、 その直接又は間接の構成員たる酒類販売業者の3分の2以上が、常時300人(酒類卸売業者については、400人)以下の従業員を使用する者であって10億円未満の金額をその資本金の額又は出資の総額とするものであるもの。

(3)内航海運組合、内航海運組合連合会

※1その直接又は間接の構成員たる内航海運事業を営む者の3分の2以上が常時500人以下の従業員を使用する者であって10億円未満の金額をその資本金の額又は出資の総額とするものであるもの。

(4)技術研究組合

※1直接又は間接の構成員の3分の2以上が以下の事業者のいずれかであるもの。
 ・中小企業等経営強化法第2条第5項第1号~第4号に規定するもの
 ・企業組合、協同組合

以下の(1)~(5)に該当する場合は「みなし大企業」となり、申請ができないので注意が必要です。
また、(1)~(5)で「大企業」とされている部分が「中堅企業」である場合、もしくは(6)に該当する者は、みなし中堅企業の扱いとなり、中堅企業等として申請をする形となります。


(1)発行済株式の総数又は出資価格の総額の2分の1以上を同一の大企業が所有している中小企業者等
(2)発行済株式の総数又は出資価格の総額の3分の2以上を大企業が所有している中小企業者等
(3)大企業の役員又は職員を兼ねている者が役員総数の2分の1以上を占めている中小企業者等
(4)発行済株式の総数又は出資価格の総額を(1)~(3)に該当する中小企業者が所有している中小企業者等
(5)(1)~(3)に該当する中小企業者の役員又は職員を兼ねている者が役員総数の全てを占めている中小企業者等
(6)応募申請時点において、確定している(申告済みの)直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超える中小企業者等

申請枠・事業類型について

第12回公募の事業再構築補助金では「成長分野進出枠(通常類型)」、「成長分野進出枠(GX進出類型)」、「コロナ回復加速化枠(通常類型)」、「コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)」及び「サプライチェーン強靱化枠」の5つの事業類型での申請が可能です。

事業再構築補助金で一度でも交付決定を受けたことのある事業者は申請不可となっていますが、「成長分野進出枠(GX進出類型)」や「サプライチェーン強靱化枠」については、申請可能なケースがあります。(詳細は各事業類型をご参照ください)

なお、同一法人・事業者での各事業類型への応募は、1回の公募につき1事業類型のみでの申請が可能となっていますが、「成長分野進出枠(GX進出類型を含む)」及び「コロナ回復加速化枠(最低賃金類型を含む)」に申請する場合には、「卒業促進上乗せ措置」または「中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置」の同時申請・補助金額の上乗せが可能です。

そして、5つの事業類型及び2つの上乗せ措置については次のとおりです。

事業類型

事業類型補助金額補助率補助事業
実施期間
成長分野進出枠(通常類型) 【20人以下】100万円~1,500万円(要件達成で2,000万円(※1))
【21~50人】100万円~3,000万円(要件達成で4,000万円(※1))
【51~100人】100万円~4,000万円(要件達成で5,000万円(※1))
【101人以上】100万円~6,000万円(要件達成で7,000万円(※1)) 
【廃業を伴う場合】廃業費として最大2,000万円上乗せ 
中小企業者等 :1/2(要件達成で2/3(※1))
中堅企業等: 1/3(要件達成で1/2(※1)) 
最大12ヶ月間
成長分野進出枠(GX進出類型)中小企業者等の場合:
【20人以下】100万円~3,000万円(要件達成で4,000万円(※1))
【21~50人】100万円~5,000万円(要件達成で6,000万円(※1))       
【51~100人】100万円~7,000万円(要件達成で8,000万円(※1))       
【101人以上】100万円~8,000万円(要件達成で1億円(※1)) 

中堅企業等の場合:
【従業員数を問わず】  100万円~1億円(要件達成で1.5億円(※1)) 
中小企業者等:1/2(要件達成で2/3(※1))
中堅企業等: 1/3(要件達成で1/2(※1))
最大14ヶ月間
コロナ回復加速化枠(通常類型) 【5人以下】100万円~1,000万円 
【6~20人】100万円~1,500万円 
【21~50人】100万円~2,000万円 
【51人以上】100万円~3,000万円 
中小企業者等:2/3(一定額まで3/4(※2)) 
中堅企業等:1/2(一定額まで2/3(※3)) 
最大12ヶ月間
コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)【5人以下】100万円~500万円 
【6~20人】100万円~1,000万円 
【21人以上】100万円~1,500万円 
中小企業者等:2/3(要件適合で3/4(※4)) 
中堅企業等: 1/2(要件適合で2/3(※4))
最大12ヶ月間
サプライチェーン強靱化枠 
(上乗せ措置の利用不可)
【従業員問わず】 1,000万円~3億円(5億円(※5))中小企業者等:1/2  
中堅企業等: 1/3  
最大28ヶ月間

※1()内は事業終了時点で、①事業場内最低賃金+45円、②給与支給総額+6%を達成する場合の補助上限金額もしくは補助率
※2従業員数5人以下の場合400万円、従業員数6~20人の場合600万円、従業員数21~50人の場合800万円、従業員数51人以上の場合は1,200万円までは3/4 
※3従業員数5人以下の場合400万円、従業員数6~20人の場合600万円、従業員数21~50人の場合800万円、従業員数51人以上の場合は1,200万円までは2/3
※4コロナ借換保証等で既往債務を借り換えていることを要件とした「コロナ借換要件」に該当する場合の補助率
※5建物費が対象経費に含まれている場合の補助上限金額

なお、事業類型ごとの詳細をまとめた記事も公開しておりますので、より詳細を知りたい事業類型がありましたら、以下よりご覧ください。

成長分野進出枠 (通常類型)

ポストコロナに対応した、成長分野への大胆な事業再構築にこれから取り組む事業者や、国内市場縮小等の構造的な課題に直面している業種・業態の事業者が取り組む事業再構築を支援する事業類型です。

成長分野進出枠(GX進出類型)

ポストコロナに対応した、グリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題の解決に資する取組をこれから行う事業者の事業再構築を支援する事業類型です。

コロナ回復加速化枠(通常類型)

今なおコロナの影響を受け、コロナで抱えた債務の借り換えを行っている事業者や、事業再生に取り組む事業者の事業再構築を支援する事業類型です。

コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)

今なおコロナの影響を受け、コロナで抱えた債務の借り換えを行っている事業者や、事業再生に取り組む事業者の事業再構築を支援する事業類型です。

サプライチェーン強靱化枠

ポストコロナの経済社会において、海外で製造等する製品の国内回帰や地域のサプライチェーンにおいて必要不可欠な製品の生産により、国内サプライチェーンの強靱化及び地域産業の活性化に資する取組を行う中小企業等に対する支援をする事業類型です。

上乗せ措置

上乗せ措置上乗せ金額補助率補助事業実施期限
卒業促進上乗せ措置サプライチェーン強靱化枠を除く、
各事業類型の補助金額上限に準じる。
中小企業者:1/2
中堅企業等: 1/3 
サプライチェーン強靱化枠を除く、
各事業類型の補助事業実施期限に準じる。
中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置100万円~3,000万円 中小企業者等:1/2
中堅企業等: 1/3  
サプライチェーン強靱化枠を除く、
各事業類型の補助事業実施期限に準じる。
成長分野進出枠(通常類型)」、「成長分野進出枠(GX進出類型)」、「コロナ回復加速化枠(通常類型)」、「コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)」では上乗せ措置を活用することで、補助金額を増加させることが可能です。
ただし、利用可能な上乗せ措置は一つまでで、各事業類型で対象とする経費と上乗せ措置で対象とする経費は明確に異なるものを対象とする必要があります。また、廃業費は上乗せ措置の対象経費とはできないので、注意してください。

補助対象経費

サプライチェーン強靱化枠を除く

建物費

※建物の新築については必要性が認められた場合に限る。

  • 専ら補助事業のために使用される事務所、生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業場、倉庫その他事業計画の実施に不可欠と認められる建物の建設・改修に要する経費
  • 補助事業実施のために必要となる建物の撤去に要する経費
  • 補助事業実施のために必要となる賃貸物件等の原状回復に要する経費
  • 貸工場・貸店舗等に一時的に移転する際に要する経費(貸工場・貸店舗等の賃借料、貸工場・貸店舗等への移転費等)

機械装置・ システム構築費

  • 専ら補助事業のために使用される機械装置、工具・器具(測定工具・検査工具等)の購入、製作、借用に要する経費
  • 専ら補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システム等の購入・構築、借用に要する経費
  • 上記のいずれかと一体で行う、改良、据付け又は運搬に要する経費

技術導入費

  • 本事業遂行のために必要な知的財産権等の導入に要する経費

専門家経費

  • 本事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費

運搬費

  • 運搬料、宅配・郵送料等に要する経費

クラウドサービス利用費

  • クラウドサービスの利用に関する経費

外注費

  • 本事業遂行のために必要な加工や設計(デザイン)・検査等の一部を外注(請負、委託等)する場合の経費

知的財産権等関連経費

  • 新製品・サービスの開発成果の事業化にあたり必要となる特許権等の知的財産権等の取得に要する弁理士の手続代行費用や外国特許出願のための翻訳料など知的財産権等取得に関連する経費

広告宣伝・販売促進費

  • 本事業で開発又は提供する製品・サービスに係る広告(パンフレット、動画、写真等)の作成及び媒体掲載、展示会出展(海外展示会を含む)、セミナー開催、市場調査、営業代行利用、マーケティングツール活用等に係る経費

研修費

※上限額 =補助対象経費総額(税抜き)の3分の1

  • 本事業の遂行のために必要な教育訓練や講座受講等に係る経費

廃業費

※市場縮小要件を満たすことで「成長分野進出枠(通常類型)」に申請し、既存事業の廃止を行う場合のみ
※上限額 =補助対象経費総額の2分の1又は2,000万円の小さい額

  • 廃止手続費(既存事業の廃止に必要な行政手続を司法書士、行政書士等に依頼するための経費)
  • 解体費(既存の事業所や事業において所有していた建物・設備機器等を解体及び廃棄する際に支払われる経費)
  • 原状回復費(既存の事業所や事業において借りていた土地や建物、設備機器等を返却する際に原状回復するために支払われる経費)
  • リースの解約費(リースの途中解約に伴う解約・違約金)
  • 移転・移設費用(既存事業の廃止に伴い、継続する事業を効率的・効果的に運用するため、設備等を移転・移設するために支払われる経費)

サプライチェーン強靱化枠

建物費

  • 専ら補助事業のために使用される工場その他事業計画の実施に不可欠と認められる建物の建設・改修に要する経費

機械装置・ システム構築費

  • 専ら補助事業のために使用される機械装置、工具・器具(測定工具・検査工具等)の購入、製作、借用に要する経費
  • 専ら補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システム等の導入・構築に要する経費
  • 上記のいずれかと一体で行う、改良、据付け又は運搬に要する経費
サプライチェーン強靱化枠以外の「成長分野進出枠(通常類型)」、「成長分野進出枠(GX進出類型)」、「コロナ回復加速化枠(通常類型)」、「コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)」では、幅広い経費が補助対象となります。
特に、外注費や広告宣伝・販売促進費、研修費などが補助対象であるため、新規事業の事業化に向けたさまざまな取り組みの支出を抑えることが可能となります。
他方で、「サプライチェーン強靭化枠」においては、補助対象となる経費の種類が少ないものの、補助金額が大きいことや事業実施期間が長いことから、新工場の建設など、大規模な投資に対して利用しやすい事業類型となっています。
補助対象経費とできるのは、「交付決定以降に発注した経費のみ」であるため、応募申請以前や審査期間中は対象外経費となります。また、採択発表後であっても、交付決定以前の発注は対象外経費となってしまうため、事前に事業計画のスケジュールを検討することが重要です。

スケジュール

第12回公募の事業再構築補助金のスケジュールについては、次のとおりとなっています。

公募開始令和6年4月23日(火)18:00~
申請受付調整中
応募締切令和6年7月26日(金)18:00【厳守】
補助金交付候補者の採択発表令和6年10月下旬~11月上旬頃(予定)

その他の注意事項

事業再構築補助金の第12回公募における注意事項として、「補助金交付候補者向けオンライン説明会への参加義務」や「口頭審査の実施」、「事前着手制度の廃止」などが挙げられます。

補助金交付候補者向けオンライン説明会への参加義務

ものづくり補助金も同様ですが、補助金の中には採択されるだけでは「交付決定」とならないものが存在し、採択後に見積書や相見積書を事務局に提出する「交付申請」という作業が発生します。

しかし、事業再構築補助金においては、採択されただけでは交付申請はできないため、採択後に実施されているオンライン説明会に必ず参加をする必要があります。

本事業に補助金交付候補者として採択された事業者は、事務局が実施する説明会に参加しなければなりません。参加しない場合は、説明会最終開催日をもって、自動的に採択は無効となります。

事業再構築補助金ホームページ『公募要領|補助事業者の義務 (交付決定前後に遵守すべき事項)』より

上記のような記載もあり、この説明会に参加しなかった場合には、採択が無効になり、補助金も受給できなくなってしまうため、注意が必要です。

なお、前回の第11回公募の採択発表後には、全部で20回のオンライン説明会が約2ヶ月にわたって、各回午前10時から開催されていました。また、月・水・金で実施される週と火・木で実施される週があり、週2〜3回平日に実施されていましたが、終盤には週1回水曜日のみとなっていました。

第12回公募においても、同様のスケジュールで実施されると想定されるため、忘れずに参加するようにしてください。

口頭審査の実施

一定の審査基準を満たした事業者の中から必要に応じて行われます。そのため、必ずしも全員が口頭審査の対象というわけではありませんが、もし対象者となった場合には、口頭審査を受けなければ不採択となるため注意が必要です。

また、口頭審査の案内については、応募申請が完了した事業者から随時、受験日時の予約案内が事務局からなされます。そのため、事業再構築補助金の申請受付開始後、早期に申請完了している事業者から優先的に口頭審査の日時を選択可能となりますが、日時の選択は先着順であり、申請完了が応募申請締切間際になった場合、選択可能な日時が限定される形となります。

なお、都合の良い日時に空きがなかった場合であっても、個別の相談は不可能で、仮に口頭審査の対象になったにも関わらず、「都合が合わなかった」や「通信や機器の不良によって審査に出席できなかった」というようなケースでも不採択となりますので、要注意となっています。

<口頭審査の概要>

  • 申請した事業計画について、事業の適格性、革新性、優位性、実現可能性等の観点について審査される。
  • オンライン(Zoom等)にて実施される(会議用URLは事務局にて発行)。
  • 所要時間は15分程度の予定で、接続テストがあるようなので、開始5分前に入室する。
  • 審査中はカメラをオンにする必要がある。
  • 審査対応者は申請事業者自身(法人代表者等※)1名である必要がある。
    • 複数名での対応は不可能となっている。
    • また、当該事業者において勤務実態がない者、事業計画書作成支援者、経営コンサルタント、社外顧問等の申請事業者以外の方の対応や同席は一切認められない。
    • 口頭審査の際に本人確認及び周辺環境の確認があるため、顔写真付きの身分証明書をが必要となる。
  • 口頭審査に関する事前の問い合わせは不可能となっている。
  • 指定日時になっても審査が開始できない場合(申請事業者側の接続不良等によるもの等)や審査当日に本人確認が出来ない場合、審査対応者以外の同席等が確認された場合などは、申請を辞退したものとみなし、不採択となる。

事前着手制度の廃止

交付決定前に補助事業を開始した場合は、原則として補助金の対象とはなりませんが、第11回公募までは事前着手制度を利用し、承認を得た場合に限り、、令和4年12月2日以降に購入契約(発注)等を行った事業に要する経費も補助対象経費とすることができていました。

第12回公募からは、第11回公募まで実施していた事前着手制度が廃止となりいかなる理由であっても事前着手は認められない形となりました。

ただし、経過措置として、以下の2パターンのいずれかに該当する場合のみ、事前着手制度の利用を可能としています。

①第10回、第11回公募において、物価高騰対策・回復再生応援枠又は最低賃金枠の補助金交付候補者として不採択となった事業者が、第12回公募において、コロナ回復加速化枠(通常類型)又はコロナ回復加速化枠(最低賃金類型)に申請する場合

②第10回公募において、サプライチェーン強靱化枠の補助金交付候補者として不採択となった事業者が、第12回公募において、サプライチェーン強靱化枠に申請する場合

この経過措置としての事前着手制度を利用した場合に限り、補助金の交付決定前であっても事務局から事前着手届出が受理された場合は、令和4年12月2日以降に購入契約(発注)等を行った事業に要する経費も補助対象経費とすることが可能です。

以前に事業再構築補助金の特定の事業類型に申請し、不採択となってしまった事業者が、第12回公募のおおよそ同様な事業類型で申請する場合のみ、この経過措置の対象となっています。
従って、以前の公募回にて、事前着手承認制度を利用する想定で、事業の再構築に取り組んでいた事業者への救済措置という位置付けであり、今回初めて事業再構築補助金を利用する事業者は利用不可能となっています。<br>“また、本経過措置をもって、事前着手制度は完全に廃止します”という明記がされており、今後は事業再構築補助金の事前着手制度は完全に廃止される形となりました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

補助金は出資や融資に次ぐ“第3の資金調達”としても注目を集めており、補助金の活用によって、事業成長を加速させることが可能です。

かなりボリュームのあるものとなってしまいましたが、事業再構築補助金の第12回公募に関する情報を少しでも多くの事業者様にご覧いただけましたら幸いです。

弊社、G&Nも「認定経営革新等支援機関」として、400社以上の経営支援を行ってきた実績がございますので、もし、「事業再構築補助金についてさらに詳しく知りたい」、「事業再構築補助金の申請を検討している」という事業者様がいらっしゃいましたら、ぜひG&Nにご相談ください。

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